このブログを久々に引っ張り出してきて記事を書く気になった理由は表題の通り。ファイアーエムブレム風花雪月、まじで神ゲーでした。
わたしの人生におけるAll time best gameと言っても過言ではないと感じた本作、わたしの乱筆でちゃんと魅力を伝えられるかどうかは甚だ疑問だが熱いうちに感想を書いてみようと思います。
(ちなみにこの作品といい線で戦える神ゲーは今のところドラクエ11です。でもこちらは商法が嫌いなのでFE、最高!)
と、その前にまず基礎知識。このゲームは主人公が士官学校の教師となり、3つのうちどの学級を担当するかの選択により全く異なる物語が展開されます。
選択肢は以下の3つ。
- 黒鷲の学級(アドラークラッセ) 級長:エーデルガルト
※このルートのみ後に更に分岐がある。エーデルガルトにつくか、教団につくか。 - 青獅子の学級(ルーヴェンクラッセ) 級長:ディミトリ
- 金鹿の学級(ヒルシュクラッセ) 級長:クロード
わたしはこのうちまだ青獅子ルートしかクリアしていず、今黒鷲絶賛プレイ中の段階なので、そういう立場の人の感想であることを一応わかってもらえれば。
ちなみに伏線の回収が多いのは赤ルートのうち教団ルートと金鹿ルートらしい。青ルートはめちゃめちゃ精神的に苦しくて泣けるが、所謂ディミトリの救済物語であり深い陰謀などには触れずに終わるので、ストーリーとしては尻切れトンボ、という印象を抱える人が多い様子。でも私はディミトリの人となりも含めて大大大好きでした。
金鹿ルートは王道のRPGシナリオで、完全にディミトリが闇落ちしているパターンのようす。未プレイだが、ディミトリ好きにはつらい展開である一方支持者が多いルートであるとか・・・
ちなみに1部はただの学園物語かつ伏線貼るだけ貼るストーリーなのだが、第2部になると学園時代から5年後の設定となっており、級長それぞれは自らの国・軍を率いる立場となりかつての旧友と争いあう。
3人の級長の人となりは、以下の言葉で代表される。
- 私たちは相容れない正義を持つ相手を、排除して進んでいくしかないのよ。その相手が、例え神のような存在だったとしても――。(エーデルガルト)
- どこかで誰かが断たねばならない。強者が弱者を踏みにじる、負の連鎖を。(ディミトリ)
- 俺たちは弱き者だ。だからこそ壁を乗り越え手を取って、心で触れ合う――生きるために!(クロード)
正直クロードのルートは未プレイなのでどういう状況でこんな言葉が出てくるのかわからないが、一見名言のように見えてクロードという人物はこの中で最も人と「心で触れ合う」タイプではない印象なので未だにしっくりきていない。金鹿ルートはいきなり王道主人公みたいな性格になったイケ系の兄ちゃん(クロード)にすべてかっさらわれる展開なのかと思うとなんだかやるせない気分になってしまう。
あとエーデルガルトは人と考え方が違うとハイ排除みたいな思想なので未だに受け入れられない。これから変わっていくのかな?
あとこんなやり取りもすごく人となり出てる。(ゲーム序盤やりとり)
エーデルガルト「言葉の表しか見ないようじゃ、名君にはなれないわよ。」
ディミトリ「言葉の裏ばかり読んで猜疑心にまみれても、名君にはなれない気がするがな。」
クロード「おっと、帝王学の議論か?2人とも、流石だなあ。しかし猜疑心の塊の俺からしたら、まだまだ純粋な雛みたいな応酬だぞ。」
猜疑心もりもり×2にかこまれた哀れな青獅子、助けてくれ。
というかこれ見るのが一番はやいわ。FE風花雪月とはこれです。(再会のときのディミトリ、かっこよすぎる泣)
ファイアーエムブレム 風花雪月 [E3 2019 出展映像]
人となり紹介は置いておいて、以下、青獅子ルートネタバレ全開で感想。
父、育ての母、信頼を置いていた家臣(仲間)たちを目の前で惨殺され、そのことがトラウマになっているディミトリ。物語を進めると、トラウマからくる幻聴や幻覚に悩まされていたり、ストレスからか味覚障害に陥りまともに味がわからない(ゲーム中では一緒に料理をしたり食事をするイベントが結構多くあるのだが、味に関しては絶対に言及しないのはこのため。)など精神疾患を抱えていることがわかる。過去の悲劇を起こした犯人へ復讐することに執心しており、それがエーデルガルトだと知ったところから復讐の鬼になってしまう。(本当は違うらしいがこのルートでは真相は明かされない)
5年後、処刑されそうになったところを家臣のドゥドゥ―に助けられ生き延びながらも、エーデルガルト率いるアドラステア帝国への憎悪から各地を転々としながら帝国兵を惨殺しまくる「化け物(自称)」になったディミトリ。主人公や同じクラスの旧友と再会し行動を共にするようになってからも心を閉ざしっぱなしだが、信頼する家臣であるロドリグが自分をかばいながら死んだ際に言った言葉と、先生の導きにより「憎悪に頼らずとも生きていける」ようになる。
ちなみに先生(主人公・自分)は、途中でソティス(女神)と合体する。女神のお導きでディミトリは救済されるのである――しかも女を選んだ場合はディミトリと結婚までできる。男を選んだらディミトリとは結婚できず、ディミトリは戦争が終わった後も短命に終わるのでぜひ女主人公を選んで真の意味で救済していただきたい(手癖でうっかり男を選んでしまった人より。)
それにしてもディミトリ救済前後のやり取りが、名言多いんだよなあ・・・全部名言だが、以下感動のシーン抜粋。ほぼディミトリ語りです。
- あの日生き残ってしまった俺にも……自分のために生きる権利が、あるのか……?(ディミトリ)
ディミトリの苦悩を端的に表現していると思う。あの悲劇で死んで、今となっては無念の思いを叫ぶこともできない死者の思いを、生き残ってしまった自分は背負わなければいけない、背負う義務があると思って生きてきたディミトリ。自分の信念のために生きる道をいろんな人から諭され、ようやく立ち直れるシーンである。
- 皆、殿下が昔に戻ったと言っている。だが、おれは………違うと思う。殿下は初めから……そして先日までも、ずっと変わらず、ああいうお方だった。
王となるには優しすぎる。弱者や死者に、肩入れし過ぎる。だが………そんなお方だからこそ、おれは、殿下をお慕いしてきた。(ドゥドゥ―)
ディミトリ(殿下)が立ち直った直後の従者ドゥドゥ―の言葉。ドゥドゥ―とディミトリのやり取りはほんと泣けるんだよなあ。すごくよく分かってる。ディミトリは見方によっては悪みたいになりますけど、そうなってしまった原因は優しすぎるところにあるんですよ。人に死んでほしくない、守りたい、だけど守れなくて苦しくて、信じた人に裏切られて、いろんな思いがあって狂っちゃったんだけど、そこが人間らしく、いいところでもあるんですよね・・・。本当に見ていて心抉られまくりました。 - ありがとう。貴方のおかげで、私の心は挫けなかった。(エーデルガルト)
実は幼い頃に友人関係だったエーデルガルトとディミトリ。(エーデルガルトは覚えてないけど。)当時は諸事情ありいつも悲しそうな表情を浮かべていた彼女(以下:エル)に、ディミトリは”未来を切り開いてほしい”という思いからこんな言葉とともに短剣を渡す。
「エル、どんな苦しい時でも負けてはだめだ。君の望む未来を、切り拓くんだ。」
5年後、エーデルガルトとの全面戦争前に、彼女と対話の機会を作ったディミトリだが、その場でも、彼女が落とした短剣を渡しながら昔と同じ言葉を言うのだった――。結局二人は話し合いでも分かり合えず、戦争に突入してしまうわけだが、その時のエルの返事がこれ↑。ちなみにここで始めてエルは少女時代のあの少年がディミトリであることを察する。すれ違う二人だが、その彼女の改革信念の強さを支えていたのも、実はディミトリの言葉だったのである。号泣。
- 俺たちに俺たちなりの正義があるように、帝国にも帝国なりの正義があるわけで。これから始まるのは、その正義と正義のぶつかり合いってわけです。
どちらかが正しいんじゃない。勝ったほうが正しいことになる戦い……
互いに折られない以上、どちらかが死ぬまで殺し合うしかないんでしょう。(シルヴァン)
帝国との全面戦争前のシルヴァンの言葉。無常感。シルヴァンは女好きキャラだが、そんな奴がまともなこと言うだけで感動してしまう(ちょろい)。勝ったほうが正しいことになる っていうのが本当それよ、戦争ってそれよ、ってなる。
もっともっと書きたいけどここら辺でけりをつけます・・・・もう手が疲れたので割愛しますけど、ラストも本当泣けるんですよね・・・。最後エーデルガルトをやむなく殺すんですけど、本当にいろんな辛い事があってもまだ彼女のことを気にかけて振り返るディミトリ、それを止める先生のラストシーン、からのエンドロール…(エンドロールの曲も最高)。でもなんだろう、すごく面白かったし感動したんだけど、思い入れが強くなるほど「こんな世界でいいの?!」みたいな思いも強くなるわけで。そこが「シナリオ100点、道徳0点」と呼ばれる所以なのかもしれない。ぜひぜひ、プレイしてみなさんのオリジナル地獄を作ってみてください。
P.S.
ところで一体なぜ、風花雪月という既プレイの今になって考えてもよくわからないサブタイトルにしたんだろう。ファイアーエムブレム諸行無常とかファイアーエムブレム残酷無比とかのほうがしっくりくるぞ・・・・